トコット 良い所と悪い所

トコットが納車されてから早半月。自分も計200km位乗ったので、第一印象を書いてみる。

〇良い所

・ハンドリング
 最近の軽自動車はよく出来ていると思う。トコットの車体の挙動は、加減速、コーナリング共極めて安定している。

 スバルプレオのハンドリングは古典的だった。僅かな加減速、舵角の変化に応じてゆっくりとした重心移動が都度都度感じられ、車の操作に比較的ゆっくり追随してくる。やじろべえの上にチョコッと乗ってバランスを取っている感じだ。 正に予想通り。この鷹揚な操作感覚は好きな人にはたまらないだろう。
しかし、ボーッと何もしないままオーバースピードでコーナーに入ったり、コーナリング中にハンドルを切り足したり戻したりする際の車の挙動は大きく、グラッとお釣りがくる感じだった。

 対するトコットの応答は、意外な事に比較的クイックかつ挙動は安定的に収束する。どんな入力に対しても車体をフラットに保とうとする力が強く、少々ラフにブレーキを踏んでもハンドルを切っても全く不安が無い。
古典的なプレオとどちらが良いのかと言うとこれは好みの問題だろう。しかし、トコットの方が危険回避の急ハンドルや急ブレーキにはより安定して対応出来る感じだ。正義はトコットに有ると思う。(でも、よく出来ている故につまらないと言えばつまらない)

・デザイン
 外観は農機具というか装甲車というか、ちょっとミリタリールック入っていると思う。多分側面の垂直さとアクセントに入っているプレスラインがそう感じさせるのだろう。これが何となく80年代テイストを感じて好ましい。
このデザインは傑作だと思う。どの角度から見てもカッコいい。でも言っちゃ悪いがオッサン好みの外観だ。そう。ピンクでさえ。

〇悪い所

・アクセルペダルの取り付け剛性の低さとスロットル制御の使いにくさ
 アクセルペダルは前輪のタイヤハウスに干渉しないように大きく曲げられ、左奥のブレーキペダルのすぐ近くにステーを使ってボルト止めされている。ステーは薄い鉄板で、さらに、あろうことかその上に取り付けられているペダルの部品はプラスティック製で、 どちらも剛性が全く不足している。完全なアクセルOffの位置からスロットルを開け始める位置までの間に、何と3~4mm位もペダルが撓むのである。

 加えて電子制御スロットルの制御が非線形で、踏み始めの極僅かな位置はほんの少し、そこから踏み込んでゆくと今度は急激にスロットルが開くという、まるでプリウスのエコモードのような制御になっている。これがとても使いにくく、低速域ではどんどんスピードが上がってしまうCVTの特性と相まって、市街地では加速の制御も速度の制御もしにくい。例えば平地で40km/hを維持しようとすると非常に繊細なペダルワークが要求される。で、これを例の踏むと撓むアクセルペダルでコントロールしないといけないのだ。
タメイキ・・・(スヌーピー風表現)

・唐突に重さが変わるパワーステアリングの制御
 トコットのハンドルは、駐車速度においては非常に軽い。片手でくるくる回せてしまう位だ。しかしこれは走り出すと重く手ごたえを増すようになるようになっている。この軽い←→重いの差がとても大きく、しかも20km/h位の速度で切り替えが明確に感じられる。まるで昭和のホンダ車だ。

・車内の低周波騒音の気持ち悪さ
 車内は基本的に静かだ。特に機関の音はあまり室内に入ってこない。しかし、静かな故に室内に共鳴する低周波ノイズが気になる。大きいロードノイズに加え、フロアに伝わるエンジンの振動と、それに伴う空気の震えが疲れた体にはこたえる。
あまつさえトコットのCVTはエンジンを極力低回転に保とうとするブログラムがなされているようで、これが低周波ノイズの酷さに拍車をかけている。

ただ、ウチの奥さんが車を運転した後に乗ると何故かこの機関由来の低周波ノイズは解消されている。多分ICUのセッティングが奥さんの運転モードに合わせて変わるためだ。

・後方視界と前方見切りの悪さ
 宣伝では視界と見切りが良いと謳われているのだけど、実際の所Cピラーが太く、後ろの窓の開口部(ガラスの大きさではなく実際に外から中が見える面積)も小さめで、斜め後方の視界は悪い。アラウンドビューモニター付きを選べるならその方が良いと思う。(ウチのはモニター付けてない。カメラは付いているのだけど・・・)
 フロントの窓ガラスも、角度が立っているのは良いとして、屋根が前に向かって丸まっている関係で小さめだ。それで自分の座高だとワイパーが雨を拭かない部分がちょうど目に入る。ついでに衝突軽減用フロントカメラもちょうど視界に入って目障り。
 それから良く見えると謳われている平らなボンネットも、実の所結構高さが有り先端が見やすい訳でもない。ウチの奥さんなんかはウチの駐車場に入れるのにも苦労している。納車されてからもう半月も経つのにだ。

・トランクの使い勝手の悪さ
 通常の状態では、幅は軽の規格上仕方がないけど、トランクの奥行も狭い。後席は畳めるが分割可倒ではなく、畳んだ位置でのストッパーも無い。背もたれの高さも無いから椅子を倒しても奥行も無い。
 加えて後席背面は見た目こそ平らなのだけど、その実補強は一切されていなくて、 薄い布の下はすぐ椅子の背もたれのその骨組みとスポンジの構造のままになっている。なので重い荷物などをここに置くとこの面はたちまち下のスポンジの部分がへこんで、骨組みの部分が盛り上がって凸凹になってしまう。
荷物を載せたきゃ他の車を買えって事だ。

・衝突時の心配
 フロントバンパーはコカ・コーラのペットボトル並みに薄く柔い。指で軽く押しただけで致命的なまでに撓む。そしてその衝突にあたっては無きに等しいバンパーの真後ろには何のガードも無くラジエーターが配置されている。
これはヤバイ。チョコッとでも何かにぶつかった日には重要部品がヤラれ、たちまち自走出来なくなるだろう。

・サイドガラス窓の薄さ
 サイドのガラス窓は大変薄い。窓を開けた状態での窓ふきには凄く気を使う位薄い。このガラスに限らず、室内を構成する部品の数々が薄く、柔く、安っぽい。

 スバルプレオを買おうとしていた17年前、その頃のダイハツ車は室内の作りにはあれこれ工夫がされていて質感も高いものだった。所が走らせて見ると、足回りが明らかにヤワでいかにも軽自動車を感じさせるものだった。その頃のダイハツに比べるとトコットの走りは基本的な所は別物だ。夜中の国道16号を周りのトラック達と一緒に走っているとなかなかに良さを感じる。
 柔らかい中に腰の有る足の動きを感じつつキャスターアクションの強いハンドルを握っていると、その昔免停になった部長を乗せて運転した彼の七代目マーク2グランデを思い出した。その位走りは良い。(エンジンパワー以外の話だけど)

Posted by kln2