マンデリンの味

生まれて初めて、コーヒー豆を買ってみた。自家焙煎の豆を客が自分で選んで買う専門店で。

店がそこにある事自体は前から知っていた。自宅から自転車に乗って浅川沿いを日野方面に向かうといつもその店は見えていた。見えるだけに留まらず、焙煎の甘い香りを漂わせる日もあった。

いつかここでコーヒーを買おうと思いながらその店の前を通り過ぎる3年の間、買わない事に全く理由は無かったし買うお金が無かったわけでもなかった。つまりいつ買っても良かった訳だけど、逆にそういう恵まれた環境ではあまり行動は起きないものだ。

しかし、きっかけというのも突然にやってくる。今回のそれは多分、その日IKEAでまたまコーヒーミルを見たのが主な要因なのではないかと思う。

そのコーヒーミルは買ったのではなく見ただけである。大体ウチではあらかじめ挽いてあるコーヒーを買ってきて利用しているので、コーヒーミルは使わない。だから別に関係ない筈だ。
しかしただコーヒーミルを見るだけで、そしてほんのちょっと、コーヒーミルの有る生活を思い描いただけで(しかもそれは粉挽いた後の掃除は面倒くさいな、買うのやーめた、と考えただけだったのに) コーヒーを買ってしまうというのは、我ながら影響受けすぎだと思う。

肝心の味はと言うと自分ははっきり言ってコーヒーの味は分からない。なので、このちょっとお高めのコーヒーも飲んだときには特段美味しいとは思わなかった。むしろ普通のコーヒーだと思った。
でも、次の日の朝にいつも飲んでいるブレンドコーヒーを飲んだら、普段は何とも思わないその味の欠点が分かってしまう気がした。マンデリンは味がはっきりしているので、舌に教科書のように働くのだと思う。

なんとなく秩父に行ってきた

奥さんと一泊旅行で秩父に行ってきた。
いきなりのこの写真は浦山ダムの中の展示にあった犬。この、こて絵のような彫刻はなんかパースがおかしいような気もする。しかし前から見るとちゃんとした犬の形に見えるらしい。

浦山ダムは、大抵のダムでは立入禁止になっているダムの横についている階段を登ることが出来る。素晴らしい。興味本位で登ってみた。
最初は入ってはイケナイ場所に入っているようでドキドキした。しかし登る途中で、そのドキドキは長い階段を登ることによる肉体的負荷が原因であることに気づいた。
奥さんははるか上のダム頂上から手を振って、階段を登る私を応援してくれた。上についたら、上から見ると私の髪の毛が薄い事が良く見えたと教えてくれた。