夢は叶う

子供の頃実家に有ったった薬箱にはオブラートというものが入っていた。
昔は粉薬と言う薬が処方されて、それは文字通りただの粉なのでそのまま飲むと粉の味がモロに舌に伝わり良薬口に苦しを地で行くように大変飲みにくく、なのでそれを解決するソリューションとして、口で味が感じられないように粉薬を包む、水で簡単に溶ける薄い皮が売られていた。それがオブラート。
内容は相手に伝えにくいキツイ言葉を湾曲表現で伝える「オブラートで包んで」語ると表現する用語があるが、そのオブラートは物としてこの世に実在していた。(今でも有るんだろうけど)

そしてそのオブラートは何と、それをそのまま食べると美味しい。原料はデンプンで、口に入れるとフワッと溶けるそれは純粋にエネルギー的味で大変美味しく、これだけ沢山食べたいというのが夢だった。

時代は下って、今日娘が作ってくれた晩ご飯は生春巻き。
生春巻きの皮の原料は米粉。つまり、デンプン。味も正にこれオブラート!
つまり生春巻きは子供のころからの憧れであったオブラートを好き勝手に食べるという夢をかなえてくれる食材という事になる。

夢は叶った。しかも、かなり暴力的に、好き勝手に、非常に個人的な満足のうちに叶っていると実感する。夢って結局そういう事なんだよな。

生春巻きの皮は業務スーパーで割と安く売ってます。日本全国のオブラート好きにお勧めです。