今年の目標

今年の正月はカレンダーの関係で随分長かったが、それでも1月も9日になると年始の気分も薄れ、日常が戻って来る。
一年という単位は人間の生活の中では実感として一番長い気がする。一年の他には、始まりと終わりを実感できる長いサイクルは中々無いものだ。例えば太陽のライフサイクルだと100億年待たないと終わらない。

それにしても、どうして人は年始に目標を立ててそれを発表したりするのだろうか? 現状の分析と方針の決定が一年に一度というのは少なすぎだし、それにそんな事はいつでも出来るしするべきだ。

今でもそうなのだろうか? 私が子供の頃学校の朝礼では訓話、所謂校長先生の長い話がされた。
そんな話は誰も聴いていないだろうと思うけど、でもそういう時に話された「竹に節目が有るように人生にも節目が有る。節目を大事にしなさい」という話はなぜか覚えている。
人生において本当の節目と言える日は数えるほどしかない。でもそれに加えて、人は自分の生活の中に人工的に節目を作り、人生の方をその節目に合わせる事で充実を図ることが出来る。みたいな話だったと思う。

実際のところ、仕事に追われていると本当に日にちはあっという間に経ってしまう。私も去年行った撮影のデーターがたまっていて、年末年始もずっとその作業をしていた(まだ終わっていない)。こういう生活を送っていると、何をするにしてもこの日と決めて強制的にするしかない。
校長先生が「節目は大切」と言った意味が、大人もこんな終盤になってだけど、理解出来る。

年始というのは思いを新たにするのに良い機会だ。この時期、一旦短くなった日はまた伸び始め、日差しは日に日に目に眩しくなってゆく。人生が新たに始まったようだ。

自分の今年の目標も書いておこうと思う。
去年一年を分析して一番に感じるのは、頭髪が少なくなったという事だ。髪が少ないというよりもはや、地肌が見えるという方が適切である。なので今年はその事を自分自身でしっかり受け止め、それを自己のアイデンテティに組み込んで行くという事を目標にしたい。
堂々と胸を張って、禿げを生きてゆく。これが今年の目標だ。

こんな目標を立てるのは一年に一度で十分かもしれない。