スパゲッティという名のスパゲッティ

近所の業務スーパーに新しい種類のスパゲッティーが入荷していた。袋の上には「SPAGHETTI」と書いてある。

これはスパゲッティ、いやそんな事は見れば分かる。
昔読んだ漫画「ディルバート」の本にあった読者からの投書を集めたコラムに、「うちの会社が雇ったコンサルタントがそこら中の機器に名称を書いたテプラを貼って回った。コピー機に『コピー機』と書いたテプラが貼ってある」という投書が有ったのだけど、それと同じタイプの絶望感を覚える。

パッケージの裏表共よく見て見たが、ブランド名や商品名らしきものは見当たらなかった。という事はこの「スパゲッティー」は商品名なのだろうか? それはうどんを「うどん」、米を「米」と書いて売るようなものではないか。そのような、一目瞭然の一般名称が果たして商品名として成り立つのか疑問だ。もしそんな事が許されるのだとしたら、散歩に出かけるお父さんが、「スパゲッティー買ってきてよ」と頼まれたらお父さんは一体何を買ってくればよいのだろう?
普通に考えるとそれは「一般名詞としてのスパゲッティーもしくは『スパゲッティー』という名前で売っているそのスパゲッティーの何れかを買って来るべきでありその反対は不可かつその指示からはどちらを買うか不明」という状態になってしまい、混乱するだろう。

よく見ると、使われているフォントのEの部分がねじれた麺を模したようにぐりぐり巻きになっている。よくある通常漢字やカタカナで書かれる一般名詞をあえて平仮名で書くような表記に見える事を狙っているのだろうか? 「スパゲッティー」なんて書くとなんか照れくさいから「すぱげってぃー」って書いちゃおうかな、みたいな。

でもこの表記の差は音声になると伝わらない。全国の散歩に出かけるお父さん方のうち「SPAGHETTI」と「SPAGH”ぐりぐり巻きE”TTI」の発音の違いを聴き分けられる人はおそらく一人もいないだろう。

長々と書いたが、味は割と美味しい。

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