百草園

先日、奥さんと百草園に行ってきた。

11/6の時点では庭園の銀杏はまだ葉に緑色が残り、紅葉はこれからといった所だった。しかし今年は台風が来なかった事も有り、木々の葉っぱは多く残っている。

百草園はこじんまりとした庭園だが多摩丘陵の高低差がいい。頂上に登ると辺りを見晴らせ、昔から現代といったタイムスリップ感が味わえる。そして、庭園と言ってもざっくばらんにテーブルやベンチが置かれていて、気楽にお弁当でも食べられそうな雰囲気がいい。

昔の個人的な話だけど、私の祖父がまだ生きていた頃、ウチに逗留していた彼がある日百草園に行くと言った。小学生だった私は、そこはどんなに楽しい所なのだろうと考え、是非ついて行きたいと一生懸命せがんだのだけど、家族からは百草園は子供の行くところではないと言われて断られ、凄く残念に思った記憶が有る。

つまらない思いをして祖父の帰りを待ち、夕方に帰ってきた彼にねえ百草園どうだった、と聞いてみたら、いやぁ大したことなかった、と言っていたのが印象に残った。なので当時の自分の心には、百草園は京王線がわざわざ駅を作った程には大したことが無い場所という観念が出来てしまった。

まあ今考えると、色々なところに遊びに行っている祖父にしてみれば造りも手入れも地味なこの庭園は、特に印象的というほどの場所でもなかったのだろうと思う。でも、自分が当時の彼の年齢に近づいた今、改めて行って見るとその肩ひじ張らない親しみやすさはたまに来たくなるラブリーな印象だ。ま確かに小学生が喜ぶ所でも無いと思うけど。

高尾山

遠足の撮影の下見という事で、久しぶりに高尾山に登った。久しぶりと言っても最後に登ったのは自分が小学生の時つまり40年近く前の事で、知っている場所だと思っていた所が来てみたら何もかもすっかり忘れていて軽いショックを受けた。

ここへ来た目的は撮影予定である保育園の遠足についてその下見なので、登りはルートの計画通りケーブルカーを使わず一号路を登る。一号路は頂上までの全ての道がこの写真の様に舗装されており、普通の運動靴でも上ることが出来る。何と言っても保育園児が上る道だ。

とは言え標高599.15m有り、しかもケーブルカー横を登るこの道は結構傾斜があって、やっぱり息が切れた。なので頂上に着いた時はちょっと嬉しかった。

頂上には登山届を入れるポストが有った。自分がやっと登ってきたここは登山者にとっては単なる登山道への入り口だったのだと知り、強いショックを受けた。

手作りの焼き物を買った

八王子は山道をずっと行った先に無人販売の焼き物屋さんを見つけたので、焼き物好きの奥さんと行って、この手作りのボゥルを買ってきた。

そこは、いかにも手作りなトタン板で囲まれた作業所の入り口にあるこれまた手作りのテーブルの上に、数十個の作品が無造作に置いてあるという所で、お店というより田舎の道端によく有る野菜の無人販売の方が印象としては近い。しかも、行ったその日は直前まで雨が降っていて、その為机の上に並べてある器には水が溜まっていた。

実は前に一人でそこを見つけた時、自分としてはこれが良いなと思っていた器が有った。それは比較的形の整っていて釉薬のかかり具合もムラの無い奇麗な器だ。所が、この日奥さんが選んだのはそれではなく、このグニャっと曲がってムラもヒビもあるこのボウルだった。なので、現地では正直これはあまりいいとは思わなかった。

でも家に帰って見ると印象も変わるものだ。料理を盛られ、食卓に乗せられるとこの手作り感がなかなかイイ。娘もとても気に入たようで、一万円で買ってきたと言われても信じると言っていた。因みに値段は500円。

何でこれを選んだのか奥さんに聞いてみた。そうしたら、見て、一番大きいのを選んだ、との事でした。

ヨーグルトソースは背徳的な美味しさ

この間図書館で借りた「トルコで出会った路地裏レシピ」に載っていたヨーグルトソースが美味しかった。引用すると、

ヨーグルト・・・1/2カップ
ニンニク(すりおろし)・・・少々
レモン汁・・・少々
塩・・・少々

原文のままなのだが分量が全部少々なので少々困惑した。自分が作った時は、ヨーグルト1カップにニンニクを1/2片、レモンを1/2個、塩を小さじ1で作った。

元々ほうれん草を入れたリゾットのような料理のソースとして紹介されていたのだけど、作ってみた所これがま~あ旨いのなんの。リゾットの方も美味しかったけど、このヨーグルトソースがまた、ヨーグルトの濃厚な味にレモンの爽やかさが加わり、そこにすりおろしニンニクの刺激が重ねられるという悪魔的な味わいで虜になった。それからというもの作り置いて毎日食べている。

因みに写真はただの納豆ご飯。お米が茶色いのは玄米だから。

ガラスペン

これは娘が買ったエルバンの銀色の粉が入ったインク。書いた筆跡がキラキラ光る。

これは勿論付けペン用インクである。ガラスペンはペン先を洗えるので、こういう変わったインクを色々使うのにうってつけだ。

ガラスペンの書き味は、鉄ペンに比べるとかなり良い。どちら方向に書いてもスルスルとよく滑る。方向や筆圧による筆跡の変化はほとんど無いけど、ボールペンやスマホのフォントを見慣れた人にはかえって読みやすいと思う。

線の太さはこんな感じ。結構太い。
因みに奥の、スペインの復活祭みたいなのは大阪万博の太陽の塔のつもりだそうだ。記憶があてにならない事が良く分かる。

TAMAとK&M

昔の話、どこでかは忘れたけど、ある人が新しい車を買ったら嬉しくて嬉しくてその事を友達に電話したその人の行為を物質欲にまみれた男の恥ずべき愚行だ、みたいな事が書いてあったのをどこかで読んだ。

若い自分は影響を受けやすかったので、そういうのは自慢と思われるんだ止めとこと素直に思っていた。でも今Youtubeを見ると、あれ買ったこれ買った動画が溢れているし、見ると面白い。

新しいカメラについては純粋に仕事の参考になるけれど、そういうのは別にしてもポルシェとかレクサスとか自分では欲しいと思っても絶対買えないようなものを買った人の動画も面白い。そういうのを見ていると、まるで自分が買ったように喜んでしまう。

多分だけどそういうのって、人がしているのを見て自分がしたような気分になり、楽しんでいるのだと思う。もしそうだとすると、良いものを買った人はどんどん自分が使った感想を述べ、人に伝えるのが良いということになる。

という訳で、この間買った凄く良いモノ、マイクスタンドについてご報告いたします(長い前振りだった)

買ったのは一本はTAMA MS736BKで、マイクスタンドなのに何と1万円越えの超高級品。重さは5gk以上も有りとっても重たい。もう一本はK&MのST-210/9Bでこちらは5,500円。市場にはもっと安い物もあるけれど、しっかりした物ならこの位はするだろうなと思う。

比べてみるとTamaのこのモデルはとにかく重い。持ち運びが大変。K&Mはプラスティックの部品が若干安っちい。どちらもねじ類はしっかり締る。比較するとK&Mのが少しブームが回りやすいけれど、それにしてもどちらもちょっと体がぶつかったくらいではトラブルは起きないだろうという信頼感は有る。

ポルシェ買った動画を見て嫉妬に狂う人も、あるいはいるかもしれない。しかし、マイクスタンドに嫉妬する人はいないだろうな。

ブドウは美味しいよ

写真はウチの庭で育てているブドウ。品種はマスカットベリーAで、まだ熟してはいないが色づいた一粒はそろそろ摘んで食べることが出来る。

これは以前住んでいたアパートのベランダで、鉢に植えて育てていた木だ。鉢植えの時は狭いベランダでも十分育てられる大きさだった。

それを地植えにしたのは一昨年の事だ。次の年「もしかして、伸びてもいいのですか?」と言う感じに枝が伸びた。地植えだと枝も伸びるようになるのだなぁと思った。

所が今年はもう当然の権利のように伸び放題、庭もブドウのジャングル状態。これは困った、こんなんなるなら冬が来たら木を切ってしまおうと考えた。

でも、一粒食べるとまあ美味しくて、やっぱり考えを変えた。ジャングルも許そうと思った。

八百屋に売っているフルーツはコンパクトにまとまった出来上がりの状態だ。そして、出来上がりだけ頂くというのは気楽なもので、それだけ見ているとそれがどのようにして成り立っているのか忘れがちだ。

サンサンロードは人でいっぱい

昨日久々に奥さんと出かけてきた。

写真のこここ、立川駅からIKEA立川店に行く途中の、以前はヤギが草を食べていた所に出来たサンサンロード。
店が並び立つ地上部から奥まって続く階段を登ると空中庭園が造られた二階デッキに行くことが出来る。二階には階段状の川が流れていて、大勢の子供たちが入って遊んでいた。

作られた統一感とソリッド感を全面に押し出した空間構成は20世紀末のテクノミュージックが似合いそうなカッコよさだったけど、近くにある窓に大きくカラフルに印刷された文字を掲げて看板代わりにしている職安のビルのダサさも20世紀末っぽくて心が休まる。

たましん美術館はクーラーが効いて涼しかった。

夢は叶う

子供の頃実家に有ったった薬箱にはオブラートというものが入っていた。
昔は粉薬と言う薬が処方されて、それは文字通りただの粉なのでそのまま飲むと粉の味がモロに舌に伝わり良薬口に苦しを地で行くように大変飲みにくく、なのでそれを解決するソリューションとして、口で味が感じられないように粉薬を包む、水で簡単に溶ける薄い皮が売られていた。それがオブラート。
内容は相手に伝えにくいキツイ言葉を湾曲表現で伝える「オブラートで包んで」語ると表現する用語があるが、そのオブラートは物としてこの世に実在していた。(今でも有るんだろうけど)

そしてそのオブラートは何と、それをそのまま食べると美味しい。原料はデンプンで、口に入れるとフワッと溶けるそれは純粋にエネルギー的味で大変美味しく、これだけ沢山食べたいというのが夢だった。

時代は下って、今日娘が作ってくれた晩ご飯は生春巻き。
生春巻きの皮の原料は米粉。つまり、デンプン。味も正にこれオブラート!
つまり生春巻きは子供のころからの憧れであったオブラートを好き勝手に食べるという夢をかなえてくれる食材という事になる。

夢は叶った。しかも、かなり暴力的に、好き勝手に、非常に個人的な満足のうちに叶っていると実感する。夢って結局そういう事なんだよな。

生春巻きの皮は業務スーパーで割と安く売ってます。日本全国のオブラート好きにお勧めです。

ニコニコットはおいしい

ニコニコットはあんずの品種名。この、笑顔の擬態語とアプリコットを掛けたダジャレのような名の杏子はしかしとても美味しい。
味は杏子にしては甘みが強く生で食べられる。特に樹上で柔らかくまで熟させた実は味が凝縮し香りも強くなり、まるで杏子のお菓子を食べているような味になり大変美味しい。

この木の苗は一昨年、庭の、家の窓のすぐ前に植えた。窓の前に植えたのは一つには家から見える前の道路と窓を隔てる目隠しになるのではないかと思った事、もう一つの理由は窓から手を伸ばすと実に手が届くという世界に憧れたからだ。

写真の実は実際窓から手を伸ばして取った。食べたらやはり美味しかった。このブログの短い文章の中で一体何回美味しいと書いたか。